シリーズ「普天間基地」第6回橋下徹私案③『”IR”によって生まれ変わった「 観光大国」シンガポール』

シンガポールvs沖縄

「普天間基地の跡地」をIR(統合型リゾート)に生まれ変わらせて、沖縄の経済を大きく飛躍させる。それこそが「普天間基地」問題を解決する最善の方策だと語る橋下徹氏。
そんな橋下氏が、「観光戦略」を学ぶべきだと力説しているのがシンガポールである。

「観光大国」シンガポールの快進撃は、”IR”から始まった

シンガポールの面積は、沖縄本島のおよそ2/3程度。人口138万人の沖縄本島に対して、独立国シンガポールの人口は561万人。
しかも驚くべきことに国民一人当たりのGOP(2017年)を比較すると日本のGDP 38,400ドルに対して、シンガポールのGDPは57,700ドル。

日本を上回り、東アジアNO1の経済力を誇っている。

このシンガポールの経済を支える柱の一つが「観光」なのである。

「コロナ禍以前にシンガポールを訪れる外国人観光客の数は、およそ1800万人。
これはシンガポール国民の約3倍に当たります。こうした観光大国シンガポールを作るきっかけになったのが、2010年に開業した2つのIR(統合型リゾート)施設。
『リゾート・ワールド・セントーサ』と『マリーナベイ・サンズ』である」(テレビ局記者)

「リゾート・ワールド・セントーサ」は、シンガポールの中にある小さな島。
元々、セントーサ島にも、いくつかホテルがあったがいずれも経営難。
ところがIR施設が開業。USS(ユニバーサルスタジオ・シンガポール)や大型水族館などができることによって、見事に息を吹き返している。

一方「マリーナベイ・サンズ」は、元SMAPのメンバーが出演したソフトバンクのCMでその名を馳せた高層ビル最上階のプールが有名。
その他にも巨大なショピング街、国際会議場、国際展示場、美術館を併設する様は圧巻である。

しかしシンガポールは、最初から「観光大国」などではなかった。

『ワクワク感』が高まる「観光大国」シンガポールの魅力

「元々イギリスの植民地時代に、貿易港として栄えたこともありますが、島全体は水もなく農業をやる平地も少ない貧しい国でした。
そんな悪い環境の中で、世界中の人たちがシンガポールに行きたくなるような”ワクワクする観光拠点”を作っていったのです」(前出・テレビ局記者)

「IR施設」以外にも、シンガポールは観光拠点の宝庫。空中回廊のある巨大な植物園。
動物園にナイトサファリを併設。さらにはチャイナタウンを始め、インド街、アラブ街とバリエーションも豊富。

さらにチャンギ国際空港に降り立つと空港それ自体が巨大なショッピングモールになっており、ゴルフ場を隣接している。
しかも空港から市街地へ入るハイウェイはきれいに整備され、さながらテーマパークのよう。

いやが上にも『ワクワク感』が高まる。(次号へ)

(参考文献「沖縄問題、解決策はこれだ! これで沖縄は再生する。」(橋下徹 著))

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