6月16日に「土地規制法」が成立 軍用地主が抱えるリスクとは!?
「土地規制法」成立の背景
自衛隊基地や原子力発電所、国境離島などの土地利用を規制する「土地規制法」が6月16日の未明の参院本会議で成立。大きな注目を集めている。
「この法律は、重要な施設の周囲1キロ、又は国境離島を”注視区域”に指定。
土地や建物の所有者の指名・住所・利用実態などについて政府が調べることができる。
特に重要な施設に関しては、”特別注視区域”として一定面積以上の土地や建物の売買について届け出をする必要があるといった内容のものです」(テレビ局記者)
施設の機能を害するような違反があれば、勧告や命令が出され、それに従わなければ、懲役を含む刑事罰も課されます。
政府は規制対象区域に想定するエリアは国境離島484ヶ所、防衛関係施設500ケ以上としていますが具体的なリストは示されていません。
法案が出てきた背景
この法案が出てきた背景には、いったいどんな問題があったのでしょうか?
「自衛隊基地周辺などで外国の会社などが土地を買うケースがあり、安全保障上のリスクがあると専門家から指摘されていました。
しかし、表現の自由や市民活動の自由、プライバシーの権利、財産権などの人権を侵害する恐れがある極めて危険な要素を秘めた法律であることは間違いありません」(前出・テレビ局記者)
米軍基地・国境離島を多く抱える沖縄県民のリスク
米軍基地が集中して、離島での自衛隊基地建設が進んでいる沖縄県は、国境離島を数多く抱える地域でもあり、早くも影響を懸念する声が上がっている。
「米軍普天間飛行場や嘉手納基地の周辺が『注視区域』に指定された場合は、影響を受ける住民は宜野湾市で9万8千人、北谷町1万9千人、嘉手納町1万3千人に登ります。
2003年以降、陸上自衛隊の情報保全隊は、イラク派遣に反対する市民団体などを監視。
『ブラックリスト』に載せられた経験を持つ沖縄平和運動センターの山城博治議長らは6月1日、県庁で記者会見を行い『政府の方針に反対する首長や市民は全て監視の対象になる』と危機感を募らせています」(地方紙記者)
しかも、法案に盛り込まれるべき重要な案件が盛り込まれず、肝心の部分が政府の作成する基本方針や政令などに委ねられていることも懸念材料だと報じられています。
果たして、今後どんな展開を見せるのか。米軍基地の土地を所有する「軍用地主」にとっても、気になるところです。
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