「軍用地」の最大の魅力は「スピード」と語るのは、福岡県福岡市で「軍用地情報サービス」を切り盛りする”軍用地”ビジネスの達人・荒木貞征氏。
「軍用地」に特化した「軍用地情報サービス」
福岡県福岡市にある「軍用地情報サービス」は、活発な動きを見せる沖縄県の米軍基地底地の売買取引をメインに、外人住宅、宿泊施設、オフィス、レジ、テナント等、様々な不動産投資物件の情報を提供している会社です。
まずは荒木社長に「軍用地サービス」について伺ってみました。
荒木「在日米軍の基地や施設に利用されている土地は『軍用地』といわれ、所有者は大半が民間です。
在日米軍基地が集中する沖縄県では、『賃借人が国』であり資産評価額も低く設定されている軍用地は『安定した不動産投資物件』として以前から人気があります。
売買市場は主に沖縄県内で完結する場合が多いのですが、弊社のネットワークを生かして様々な軍用地の売買物件情報を全国にお届けしております。
『軍用地情報サービス』では、資産形成や相続対策などのお客様の購入目的に対し、基地の倍率や相続税率、評価額、周辺土地の相場価格などの調査、検討を行います。
その上で、お客様の目的に合わせた軍用地物件を提案しております。
さらに投資の他にも不動産を活用した相続対策、事業承継対策、個人、法人所得税対策など、専門家を交えて様々なケースにも対応しております。
不動産投資は新鮮な情報とタイミングが、税対策は緻密な計算と計画が大切です。流れの速い不動産情報の”今”を知り、ご自身にマッチした投資、税対策をナビゲート致します。
「軍用地」を売るタイミングは「3つ」
そんな「軍用地情報サービス」の荒木社長にまず、軍用地を売る「タイミング」について、実例を交えてお話を伺いました。
「軍用地を売るタイミングは、主に『資産を取得する』『相続税対策』『資産整理のための売却』、この3つが挙げられます」
【ケース① 家を建てる】
荒木「40代の男性は、新しく家を立てるために、持っていた軍用地を売って『土地の所有資金』にあてたいと相談を受けました。いわゆる『資産の組み替え』です」
— 子供達の成長に合わせてマイホームを手に入れる。こうしたご自身の必要とする資産を購入する目的で軍用地を売却するケースも多いということですね。
【ケース② 相続税対策】
荒木「親が高齢のため、『相続税対策』のための資産整理を行うために”軍用地を売りたい”といってくる60代男性のケース。今後は少子化による税収の現象も予想され、間違いなく相続税の税制が厳しくなっていくと思われます。
しかし、軍用地は、その土地を持っているからといって何かに使えるわけでもなく、借地料以外に収入を得ることはできませんので、今後も税制上は優遇が続くのではないでしょうか?また、軍用地は一般的な不動産資産と比べて特殊な要因を多く持ち合わせていますので、国が“最初のターゲット”として狙う資産ではないと思います。」
—なるほど軍用地については国も触れづらく、そういった意味でも硬い物件というわけですね。
【ケース③ 資産整理のための売却】
荒木「これは沖縄で事業をされていた方が事業の財務強化のため、単純に言うと借金の返済のために軍用地を売却するケースです。今後は、コロナ禍の影響もあり、増えて来るのではないかと思われます。」
— 「売り手」が増えてくれば、「買い手」に取っては、チャンス到来というわけです。
しかし、ただ手堅い物件だから、今のうちに「軍用地を買っておこう」という考え方でいいのですかね?
「軍用地」最大の魅力は「スピード」
そんな質問をぶつけると・・・
荒木「漠然と「軍用地が欲しい」という理由だけで軍用地を欲しがるのは無謀。軍用地を手に入れる場合、一番大切なことは軍用地を買う目的です!
何のために、軍用地を買うのか?『相続税対策』なのか?『資産形成』なのか?
大切なのは、軍用地を手に入れる目的です。また、その目的を達成した後は軍用地を売却しても構わないと私は思います。」
ここで、押さえておかなければならないのが、「軍用地の最大の魅力」。
ズバリ!それは「スピード」だと、荒木社長は熱く語ります。
荒木「あなたが”相続税の納税資金が不足している”としましょう。そんな時、『軍用地』ほど役に立つものはありません」
(例)納税資金の準備
「軍用地地主の場合、軍用地以外の不動産も所有する方が多いというのが実情です。しかし、何と言っても現金化が早い不動産は軍用地なのです。」
(例)一般的な不動産の場合
「アパートや賃貸マンションなどの一般的な不動産は、売り出しのための準備、売り出し、集まった購入希望者の内検、そして借り入れの審査などの多くのステップを踏むことになります。それらのステップを経て、不動産を売却して現金化するには数ヶ月以上かかることもあります。」
(例)軍用地の場合
「相続税の納税までの期間は相続が発生してから10ヵ月以内と短く、人によっては相続の話し合いが終了してから数ヶ月後には現金にて納税する必要があります。このような期限がある中での不動産の現金化は、所有資産の状況にもよりますが、売り出して最短で一月以内に現金化することができる軍用地が圧倒的に頼りになります。だから、税理士さんからも『軍用地を売ったほうがいい』という指示が出るケースが多くあるのです。」
「軍用地を売るメリット&デメリット」は何?
最後に、「軍用地を売るメリット」について、荒木社長にお話を伺ってみました。
軍用地を売るメリット
荒木「例えば、 年間借地料100万円の物件を50倍で売却した場合、額面上は5000万円、手元に残るのは4000万円くらいでしょう。
これは、年間借地料100万円の35年間の収入に相当します。要は35年間分の年間借地料を今すぐに得ることができることになります。
長期間で収入をえるメリットの少ない人、例えば資産を引き継ぐ人がいない場合や、新しく事業を始めたいといった人生のターニングポイントを迎える人は現金化した方がいい。
ある程度大きな額の現金が手元に入れば、老後資金の蓄えや別の不動産の取得、新しい事業にチャレンジすることなどに活用することができます。
特に多くの相続人に分けて相続しているケースの場合です。例えば借地料が年間20万入ってくるより、売却してまとまった金額を取得して他の投資に組み替えるという選択もあります。
軍用地は投資の利回りだけを考えると、アクティブ型の投資信託やアメリカの国債に比べると低いからです。
リスクをとって投資の収益性を高めたい人は、軍用地を売却し現金を得て投資の対象を変更することが大きなメリットになるのではないでしょうか。」
一方、「軍用地を売るデメリット」についても、お話を伺った。
軍用地を売るデメリット
荒木「軍用地の所有には大きな安心があります。一番の安心材料は収益の確実性です。
国が借主なので取りっぱぐれる心配がありませんし、毎年、複利で借地料も上がっていく。
また、いざとなったらすぐに現金化できるのも魅力。
市場にマッチした倍率で軍用地を買っていたら元本割れのリスクも低く見積れます。
『いざとなったらすぐに現金化できる』こんな不動産投資や債券はほぼ無いに等しい。
軍用地は年間約1%、しかも複利で賃料収入が上がっていく。
銀行貯金や日本の債券に比べるとこんなに手堅い商品はない。お金を長期間で運用するという目的であれば、売却することはデメリットになります。」
さて皆さん、いかがですか? 軍用地のさらなる魅力について、次回も引き続き荒木社長にお話をお伺いします。 (次回へ続く)
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