2022年の朝ドラ「ちむどんどん」のヒロインになぜ、黒島結菜が選ばれたのか!?

ちむどんどん

2022年の朝ドラのヒロインが3月3日に放送された生番組「あさイチ」(NHK)の冒頭で女優・黒島結菜と発表され、沖縄中が沸き返っている。

「2022年は沖縄が返還されて50周年の記念すべき年。
そこで今回は、沖縄を舞台にした朝ドラ『ちむどんどん』に決定。
沖縄料理に夢をかけるヒロインには、沖縄出身の女優・黒島結菜に決定。撮影の舞台となる沖縄・国頭村のオクマビーチから生中継されました。

朝ドラ『ちむどんどん』は、2015年に朝ドラ『マッサン』を手掛けた脚本家・羽原大介氏によるオリジナル作品。
復帰前の沖縄”やんばる地方”で生まれ育ったヒロイン・比嘉暢子が家族の絆に励まされながら、故郷の”食”に自分らしい生き方を見出していく成長物語です」(テレビ局記者)

「朝ドラヒロイン」決定の法則

以前の朝ドラヒロインは、実技経験の乏しい新人もしくは若手女優を起用。
視聴者もヒロインの成長を、我が子の成長に重ね合わせて楽しんで来た。ところが近年は”働き方改革”の影響もあり、状況は一変。

そんな中、近年の“朝ドラヒロインの起用法”には、ある法則があった。

『とと姉ちゃん』のヒロイン高畑充希や、『まれ』のヒロイン土屋太鳳のように、これまで”ヒロインの家族”を演じてから”ヒロイン”に抜擢されるケースが多かった。

現在放送中の『おちょやん』の杉咲花は、『とと姉ちゃん』ではヒロイの妹役。
次回作『おかえりモネ』のヒロイン・清原果耶も『なつぞら』でヒロイン・広瀬すずの妹役を経て、ヒロインの座を射止めています」(放送作家)

そう言った意味で言えば、黒島結菜も朝ドラ「マッサン」や「スカーレット」に出演してはいるものの、演じていたのは家族ではない。

今回は「NHKへの貢献度」ブラス「評価の高い演技力」が決め手

「最近のNHKは、まずこれまでのNHKに対する貢献度を重視します。黒島は2012年のデビュー年に番組『テストの花道』(NHK Eテレ)に出演。
2015年には大河ドラマ『花燃ゆ』で高杉晋作の妻役。さらに2016年には『夏目漱石の妻』、そして翌年『アシガール』でヒロイン役を射止め、さらに2019年の大河『いだてん〜東京オリムピック噺〜』にも出演するなど、デビュー以来NHKに対する貢献度は抜群。

しかも、2013年、沖縄復帰40周年記念作品『ひまわり〜沖縄は忘れないあの日のあの空を〜』で映画初出演を果たすなど、沖縄返還50周年記念の朝ドラのヒロインにはピッタリ。

さらに、2019年に公開された映画『カツベン!』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど、その演技力は折り紙つき」(前出・放送作家)

このドラマの制作統括を担当する小林大児氏は、黒島を評して「透明感に、りりしさ、たくましさを併せ持ち、シリアスもコミカルも表現できる素晴らしい俳優さん。
沖縄出身でもある黒島さんのほかにヒロインは考えられませんでした」とコメント。

黒島結菜主演の「ちむどんどん」。2022年春のスタートが、待ち遠しい。

文:島右近 (放送作家・映像プロデューサー)
バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。沖縄は離島も含め何度も訪れ、伝統文化からスピリチュアルまで執筆多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ヶ原で死んでいた』(竹書房新社)を上梓。現在、FRIDAY DIGITALなどにもコラムを公開中。

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